不動産売却の
お役立ちコラム

実家の売却にかかる税金は最大5種類!相続税や譲渡所得税の計算方法を解説

実家を売却するときは最大5種類の税金が発生します。普段は耳慣れない種類の税金もあるので、いざ課税対象になったときに困る方もいるかもしれません。

このページでは、どのような計算式で金額を算出するか、どのように相続するのが税金対策になるのかをお伝えします。実家の売却をご検討中の方はお役立てください。

実家の売却にかかる5種類の税金

譲渡所得税

譲渡所得税とは、土地・建物といった不動産や株式などの資産を譲渡したときに生じる税金です。詳しい計算式は後述しますが、住民税と所得税を合算して算出します。譲渡時に利益が発生しなければ課税されません。

<外部リンク|国税庁>
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1440.htm

消費税

実家を売却したとき、不動産屋さんの仲介手数料や司法書士への名義変更依頼の費用に消費税がかかります。不動産の場合、数百万円の費用に対して消費税がかかるため、消費税といっても大きな金額になりがちです。ご自身で実家を売却することもできますが専門知識が必要になるため個人間の取引はおすすめしません。

登録免許税

登録免許税とは、売主が買主の名義に変更するときに発生する税金です。売却する実家に住宅ローンの抵当権が設定されている場合、ローン完済後の抵当権抹消のために抵当権抹消登記をします。なお、買主は土地や建物の購入時に登録免許税が発生します。

印紙税

印紙税とは、実家を売却するときの売買契約書に貼る印紙にかかる税金です。売買契約書に定められた金額の印紙を貼ることで納税したとみなされます。印紙を貼っていない場合は本来の印紙の3倍の過怠税、消印がない場合は印紙と同額の税金を納める義務が生じます。

相続税

相続税とは、亡くなった方から相続した現預金や株式などの動産・不動産に課税される税金です。相続した財産の価値に応じて税率が異なりますが、基礎控除額が設定されているため一定金額までは課税対象ではありません。そのため、実家の売却をするときに相続税が発生しないケースもあります。

実家の売却にかかる税金の計算方法

実家を売却するときに計算が必要な税金は「譲渡所得税」「相続税」「消費税」の3つです。印紙税と登録免許税は実家の売却価格や件数で税額が決まっているため、細かな計算は必要ありません。

譲渡所得税の計算方法

譲渡所得税の税額は「譲渡所得額」と「実家の所有期間」で大きく変わります。計算式は以下の通りです。

譲渡所得税=譲渡所得×(実家の所有期間に応じた所得税率+住民税率)

以下では譲渡所得の計算式と実家の所有期間に応じた税率を紹介します。

譲渡所得の計算式

売却価格-(取得費+譲渡費用)-特別控除額=課税譲渡所得金額

項目内訳
収入金額土地や建物を譲渡したときに得られる金額
取得費土地や建物の購入代金、建築代金、購入手数料、設備費、改良費
譲渡費用・土地や建物を売るために支払った仲介手数料
・売主が負担した印紙税
・貸家を売るために借家人に立ち退いてもらう立退料
・土地を売るために建物を解体した費用
・売買契約を締結している資産をさらに有利な条件で売るために支払った違約金
特別控除額(イ) 収用等により土地建物を譲渡した場合…5,000万円
(ロ) マイホーム(居住用財産)を譲渡した場合…3,000万円
(被相続人の居住用財産(空き家)を譲渡した場合…3,000万円または2,000万円)
(ハ) 特定土地区画整理事業等のために土地等を譲渡した場合…2,000万円
(ニ) 特定住宅地造成事業等のために土地等を譲渡した場合…1,500万円
(ホ) 平成21年及び平成22年に取得した土地等を譲渡した場合…1,000万円
(ヘ) 農地保有の合理化等のために農地等を譲渡した場合…800万円
(ト) 低未利用土地等を譲渡した場合…100万円

<外部リンク|国税庁>
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1440.htm

実家の所有期間

実家の所有期間に応じて税率が変わります。実家の年数が長いほうが税率は低いです。

実家の所有期間所得税率住民税率合計
所有期間が5年を超える
(長期譲渡所得)
15.315%5%20.315%
所有期間が5年以下
(短期譲渡所得)
30.63%9%39.63%

なお、実家の所有期間は実際の所有期間ではなく、売却した年の1月1日時点で5年を超えるかどうかで判定します。税率が大きく変わるため注意しましょう。

相続税の計算方法

相続税は基礎控除を除いた相続税の対象となる財産の総額(課税遺産総額)に対して課税されます。以下の3ステップで算出します。

Step1.相続税の対象となる財産の総額を計算する

相続税の対象となる財産の総額を計算します。

相続税の課税価格=相続財産の総額-(非課税財産+債務+葬式費用)

課税遺産総額=相続税の課税価格-基礎控除額

基礎控除額は3,000万円+(600万円×法定相続人数)で算出します。

<外部リンク|国税庁>
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4155.htm

Step2.仮の相続税額を計算する

以下の計算式で各人の仮の相続税額を合算して相続税の総額を算出します。

各人の仮の相続税額=課税遺産総額×法定相続分×税率

Step3.実際の相続税額を計算する

相続税の総額を各人が相続する財産の割合で按分し、各々が納める相続税額を計算します。

各人の実際の相続税額=相続税の総額×各相続人が実際に相続する課税価格÷課税価格の合計額-税額控除

消費税の計算方法

不動産屋さんに支払う仲介手数料の消費税は以下のような計算式で算出します。

実家の売却価格仲介手数料の計算式
200万円以下の場合売却価格×5%+消費税
200万円超400万円以下の部分売却価格×4%+2万円+消費税
400万円超の部分売却価格×3%+6万円+消費税

実家を売却するときの税金対策

実家を売却するときに税金対策をするポイントを紹介します。

不動産の所有期間による税金対策

不動産の所有期間が5年を超える場合、長期譲渡所得により税率を抑えることが可能です。そのため、所有期間が5年を超えたタイミングで売却することで節税できます。

ただし、実家の売却価格の変動や固定資産税を考えると短期譲渡のほうが支出は少なく済む可能性もあるため注意しましょう。

Home Reでは実家の売却にかかる最終的な費用面でお得になる方法をアドバイスできます。不動産の所有期間にお悩みの方はご相談ください。

生前贈与を利用した税金対策

あらかじめ相続対策で実家を生前贈与するケースもあります。相続が発生しないため、子ども側が自由に手続きでき、売却が簡単になることはメリットです。

贈与税の基礎控除は1年あたり110万円、贈与時の節税対策である「相続時精算課税制度」による2,500万円の控除なども活用しましょう。

被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例

相続または遺贈により取得した被相続人居住用家屋または敷地等を令和9年12月31日までに売る場合かつ、一定の要件に当てはまるときは譲渡所得の金額から最高3,000万円まで控除できます。

特例を受ける条件は以下の通りです。

  • 昭和56年5月31日以前に建築されたこと
  • 区分所有建物登記がされている建物でないこと
  • 相続の開始の直前において被相続人以外に居住をしていた人がいなかったこと

<外部リンク|国税庁>
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3306.htm

実家売却時の税金に関する注意点

実家を売却するときの税金について注意点を紹介します。

実家の売却時は確定申告の必要性を確認すること

実家の売却時に確定申告が必要になるケースがあります。「実家の売却によって利益が出た場合」「特例制度を使用する場合」の2つです。

もし、実家を売却したときに確定申告を怠ると滞納税・無申告税が発生します。納付期限を過ぎて1か月経過すると申告逃れとみなされます。納税額の50万円までは15%、50万円を超える部分は20%の罰金が発生するので注意しましょう。

生前贈与は必要書類を提出すること

生前贈与で不動産の贈与を受ける場合、必要書類を申請しないと控除が受けられない場合があります。例えば、相続時精算課税制度(生前贈与により2,500万円まで控除できる制度)は、贈与税の申告期限内に必要書類を提出しましょう。

提出する人贈与を受けた子や孫
提出先贈与を受けた子や孫の住所を管轄する税務署
提出期限贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日まで
必要書類・贈与税申告書
・相続時精算課税選択届出書
・贈与を受ける人の戸籍謄本または戸籍抄本
・贈与を受ける人の18歳以後の住所がわかる書類
・贈与した人の住民票または戸籍の附票

小規模宅地等の特例

小規模宅地等の特例は、相続直前に子どもが親と同居していた場合に宅地の評価額を最大80%減額できます。これにより、相続税の負担を大きく軽減することが可能です。

まとめ

実家を売却するときに発生する税金についてお伝えしました。どのような税金が発生するか、あるいはどのように売却するのが税金対策になるのか、日常生活では考えないことも少なくないと思います。

Home Reではご実家を売却するときの税金を抑える方法もアドバイスできます。静岡市を中心に地域密着で取り組んでいるので、実家の売却を検討している方はお気軽にご相談ください。

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